MM-blog　靴、物欲ときどき、サッカー

正倉院展のチケットの半券にくっついているオマケの券で常設展も見れたんですが、
この常設展（ここでは平常展と言うらしいです）が凄くハイレベルでした！！
国宝・重文の多さはさすが奈良！　それも興福寺の八部衆やら十大弟子の一部や、
金堂修復中の唐招提寺から預かっている薬師如来像やら薬師寺の木彫十一面観音像やら
同じくお堂が修復中のため、法隆寺から預かっている普段非公開の薬師三尊像やら
かつて他で見た事のあるものなど、もうもう凄すぎるものばかりです。

畏れ多くも告白させて頂くと、私がもっとも美しいと感じる仏は
東大寺・法華堂の月光菩薩！！でございます。
そして同じく東大寺・法華堂の日光菩薩 、同じく東大寺・戒壇院の四天王、特に広目天 、
そして実は鎌倉時代に下りますが、興福寺・北円堂の無著・世親 （やっぱり特に無著）、
このあたりも美しくて打ち震えてしまいます。
その他にも興福寺の八部衆、十大弟子、
東大寺・法華堂の本尊、不空羂索観音像や執金剛力士立像、
濃密でまったりした時間を過ごした中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像 、
法隆寺の夢違観音、百済観音などなど、大好きな像は多いです。
関西・中部・中国辺りにお住まいならぜひぜひ一度行かれる事をお勧め致します。

とにかく東大寺・法華堂（三月堂）は下世話な言い方が許されるなら
500円は安い、とこんなに思う場所は無いですよ。
お堂の中に16体の仏像がみっちり。（うち1体、執金剛力士立像は1年で1日のみ公開）
うち12体が国宝、4体が重文。
お坊様達がお勤めの時に使う縁側のような台に腰掛けて、
仏教芸術の名品とたっぷり対話する事が出来ます。

人が少なくゆっくり見られるという事では戒壇院も良いですが
ただ、ここはお天気の悪い日はお勧めしません。


そうそう、先日、初めて無著さんを拝見致しました。
お堂の中は配置的にかなり見にくかったのが残念でしたが、
やはりその存在感と意志の強さを感じさせる端正な立ち姿に感激でした。
そして意外にも、今まで気に留めた事も無かった弥勒如来像がまた感動的でした。
やっぱり運慶はじめ慶派の仏師は私の好みに合っているようです。
この時もらったリーフレットに書かれていた
「（運慶は）天平仏を真摯に研究し、それを越えた希有な仏師」という文章に納得。
やっぱり天平仏の精神性をも研究・理解した人ならではの造形かとしみじみ思いました。